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20代後半男子がメンズネイルを始めてみた話

あなたは「メンズネイル」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

実は最近、「メンズネイル」がブームになっていると一部では言われています。 ネイル雑誌ではメンズネイル特集が組まれていますし、日経新聞からも「メンズネイル増加中 「身だしなみ新常識」そのわけは」という記事が出ています。

とはいえ、そのように言われてもピンと来ない人もいらっしゃるでしょう。 僕はネイルをするようになってから「ネイルしてる男性初めてみました!」と言われたことは一度や二度ではないですし、僕自身もネイルをされている他の男性とお会いしたことはこれまで数回しかありません。

メンズネイルをしてみるということは、僕にとって最初は非常に緊張するチャレンジでした。 このエントリは、僕の周りにいるかもしれない「ネイルに興味はあるけれど一歩が踏み出せない」男性の方に向けてその後押しになることを目指し、20代後半男子1がメンズネイルを始めてみた体験談を書いていこうと思います(そして僕のメンズネイルトーク友達になってくれることを期待しています)。 といい感じのことを言おうとしてますが、要するに自分がメンズネイルについてなんか書いてみたくなっただけの自己満足エントリです。

初めてのネイルまで

きっかけ

ある日、Twitterを眺めていたらたまたま「仕事してる時のいいこと、自分の綺麗なネイルを眺めることしかない」みたいな呟きを見かけました。2 この呟きの本意は仕事が辛いことを伝えることだったのでしょうが、僕自身は「仕事中も自分の指先を見る機会は多いし、その度に綺麗だって思えるのっていいな」と思ったわけです。 元々いつも何か新しいことにチャレンジしてみたいと考えてるような性格であることも相まって、それをきっかけにネイルをやってみようと決意します。3

ネイルサロン選び

ネイルについてそれまでほとんど知識を持っていなかった僕は、その時に少しネイルについてググってみて初めて、ネイルにはマニキュアとジェルネイルがあり、前者は自分自身でセルフで、後者はお店でプロのネイリストにやってもらうことが一般的であることなどを知りました。 僕の性格上、自分でセルフで塗るマニキュアは絶対すぐ面倒になってやめてしまう自信があったため、多少ネイル代はかかってもネイルサロンでプロにジェルネイルをやってもらうことにしました。

そうなると次にすべきは行くネイルサロン選びです。 調べてみるとメンズネイル専門店もあるのですが、これも少し遠目のところを選んでしまうと段々と面倒になってきてしまうだろうなという考えと、他の通常のネイルサロンと見比べてみると少し割高な気がしてきて、自分の場合は家の近所で入りやすいところを探すことにしました。

少しホットペッパービューティーで探してみると、男性のネイリストさんが在籍しているネイルサロンが近所にあるのを発見しました。 自分としては男性の方にやってもらう方が心理的ハードルが非常に低かったため、そちらのネイルサロンに「男性で、ネイル初めてなのですが……」と書きながら予約を取りました。4

初めてのネイルサロン

さあ数日後、予約していた時間が来ました。 男性のネイリストさんを指名して、かつ事前に男性であることを伝えていても、ネイルサロンに入る前は非常に緊張しました。 人見知りな性格でもあるので、緊張しすぎて目の前でやっぱキャンセルしようかとも一瞬思いましたが、えいやっと入ってみると、男性の優しそうなネイリストさんが出迎えてくれました。 オーダーの仕方も何もわからない自分にジェルネイルについて教えてもらいながら施術してもらい、出来上がったのがこちらです。

はい。 これに合わせようとしたわけではなく、単純に好きなターコイズブルーっぽい色で選んだはずなのに、家に帰ってみたら持っているSwitch Liteと完全に同じ色すぎて爆笑しました。 まあそんなこんなで僕のメンズネイル人生は始まったわけです。

メンズネイルの良いところ

ネイルをしてみてよかったことは沢山あります。ということでそれを一つ一つ話していこうと思います。

気分が明るくなる

「ネイルをしていると仕事中でも綺麗な指先をみて気分が明るくなる」というようなことを呟いているのを見たのがネイルをしてみるきっかけでした。 実際やってみて、本当にその通りでした。 指先が自分の好きな色をしていたり、明るい色をしていたりすると、自分の爪を見るだけで気分が明るくなります。

こうグラデーションにしてみたりなど試してみて、出来上がったのが気に入るネイルになったときは、自分の人生に新しい楽しみができてネイルにチャレンジしてみてよかったなと思ったりしました。

人に褒めてもらえる

ネイルをしてみるまで、周りにどういう反応されるかと心配でしたが、自分の場合は思いのほか周りからの反応は好意的でした。 しかも、友人や会社の同僚など普段から会話する人だけでなく、ふらっと入ったカフェや飲食店の店員さんとかに「ネイル綺麗ですね!」と褒めてもらえることすら割と頻繁にあります。

否定的な反応がそんなにあるとは思っていませんでしたが、想像以上に好反応が多くて正直驚きました。 男性よりも特に女性の方がネイルを褒めてくれることが多い気がします。 女性の方が人のネイルに興味があり、かつ男性がしているのを見ると物珍しさもあって声かけてみたくなるのでしょうか。

どちらにせよ、人にネイルを褒めてもらう機会があると嬉しくなるものです。

身だしなみに気を付けるようになる

せっかくネイルを綺麗にしているんだから、多少はそれ以外の面も身だしなみに気をつけようという気持ちが強くなりました。 「ネイルは綺麗なのに服装はダサいな」とか思われたらいやですし、さらにネイルをしている男性がファッションがダサかったりすると「メンズネイルはダサい」と思われてメンズネイルのイメージダウンになってしまうのも普及にマイナスなので。 元々オシャレにはあまり無頓着よりの人間で、ネイルも自分自身のために始めたはずでしたが、周りからどうみられるかを少し気にするようになるきっかけにはなりました。

おしゃれな人だと思われる

上とも関係があるのかもしれませんが、服装や身につけているもの(バッグとか)をオシャレですねと褒めてもらえることも、ネイルを始めてから明らかに増えた気がします。 多少は身だしなみに気を付けるようになったとはいえ、そんなに普段のファッションや持ち物を変えたわけではないので、多分「ネイルをしているような男性なんだがら、ファッションにも気を遣っているオシャレさんなんだろう」と思われて得してる気がします。

趣味に合わせたりなどしても楽しめる

洋服で派手なファッションに挑戦したりなどは自分の場合はなかなか出来ないですが、不思議とネイルだとそれが出来ちゃったりします。 自分はサッカー観戦が好きで、J1リーグの横浜F・マリノスを応援しているのですが、マリノスが2022シーズンに優勝が近づいたタイミングには、マリノスの青白赤のクラブカラーに合わせてこんなネイルもしてみたりしてました。

趣味に合わせてトリコロールのネイルにしてることそのものが楽しいですし、さらには人に「どうしてその三色のネイルにしたんですか?」と聞いてもらって、そこからサッカーの話になったりなど、会話のきっかけになることも何度もありました。

会話のきっかけになり、覚えてもらいやすくなる

現状ネイルをしている男性は、前よりは増えているとは言ってもそれほど多くはないというのが実際のところです。 そのため、初対面の人と話すときはかなり好確率で「ネイルされてるんですね!」というふうに反応してもらえます。 そこからネイルするようになったきっかけなど会話のきっかけにもなりますし、相手の方がネイルが好きな方だと色について盛り上がったりすることもあります。

さらにメンズネイルをしている人が少ない現状では「ネイルしている男性」として印象に残りやすく、ネイルの人として覚えてもらいやすいです。実際、自分も趣味関連でちらっと一瞬話しただけの人と数ヶ月後にまたあって「あっ、あのときのネイルの綺麗な人だ!」と話しかけてもらったこともあります。 そういうふうにキャラ付けになって人に話しかけてもらえることは、自分からはなかなか人に話しかけられない人見知りな自分にとってはとても助かることです。

なんらかの生きづらさが取れた

これは自分特有かもしれませんが、最近ネイルをするようになったフォロワーさんの一人も似たようなこと言ってたので書いときます。 単純にネイルをするようになって綺麗だから気分が明るくなったというのではなく、元々抱えていたのかもしれない、言語化の難しいなんらかの生きづらさが取れたような感覚があった気がします。 その要因はなんだったんでしょうか。 一つは、自分は元々「男らしさ」を強制されること(小さい頃に「男の子なんだから泣くな」と言われたこととか、ランドセルが全員黒だったこと(自分は黒が嫌で、でも目立つのも嫌で黒に近い紺のランドセルにしてましたが)とか、高校の時に運動会で男子生徒は上半身裸にさせられてたこととか)に違和感を覚えるタイプでした。5 それに対して、現状ネイルは女性がすることが多いとされている中で、少し逸脱できたのが自分にとっては「男らしさの強制」に対して少し反抗できたということなのかもしれません。 周りからどうみられるかを気にしすぎることなく(実際はポジティブな反応がほとんどなので心配しすぎだっただけなのですが)、自分の好きなようにチャレンジできたということは自分に対する自信にはなっているように思います。

メンズネイルの悪いところ

メンズネイルのいいところを長々と語ってきたので、対比的に悪いところのセクションも作ってみたのですが、自分についてはネイルをやっていて悪いところはほとんどないです。

場合によっては、周りが理解のない場合は人にネガティブなことを言われたり、仕事上良くない反応をされるということもありうるのでしょうか。 自分はありがたいことに、職場にネイルやファッションを制限するような規定は(多分)なく、周りも理解のある人ばかりなので、今のところネガティブなことを言われたことはありません。6

爪が長くなってくると、コンタクトがはずしにくいとか、ボタンのつけはずしがしづらいとか、手書きで文字が書きづらいとか、趣味のダイビングでスーツを脱着するときに注意が必要とか、そういう些細なデメリットが全くないというわけではないのですが、どれも本当に些細なものですし、「メンズ」ネイル特有の問題ではありません。

自分の場合は、ネイルをやってみて悪いところより、圧倒的にやってみてよかったと思うことの方が多いです。

おわりに

メンズネイルを始めてみたきっかけと、メンズネイルをしてみてよかった点をブログに書いてみたくなったので、ここまで思いつくままに書き殴ってきました。 自己満足のために書いたものですし、このエントリがそうした方に届くかどうかはわかりませんが、もしネイルをやってみたいけど勇気が出ず躊躇している男性の方が一人でも読んでくれていたら、「自分はネイルにチャレンジしてみて本当に良かったよ」と背中を軽く押してあげられるようなエントリになっていたら嬉しいです。

ついでに、自分はこれまでワンカラーとかグラデーションとかマグネットとか、アートがあってもワンポイントのものとか、比較的シンプルなものばかりやっています。 本当はもう少し派手なアートにもトライしてみたいという気持ちもあるので、自分も次はもうちょっとチャレンジしてみたいなと思います。


  1. 最初このエントリのタイトルは「アラサー男子が……」にしようとしてましたが、 自分が30歳に近づいているという事実に耐えられなくなったので「20代後半男子が……」に変更しました。 ↩︎

  2. この元ツイートはこのブログ執筆時点でツイート検索してみましたが、残念ながら見つけられませんでした。 ↩︎

  3. 見かけたツイートがきっかけだと言ってツイ廃だとは思われたくないので、普段人に「ネイルをしてみようと思ったきっかけはなんだったんですか?」と問われた時は、「女友達が『自分の指先が綺麗な色してると普段から気持ちが明るくなる』って言ってていいなと思ったので」と答えています。 ↩︎

  4. 自分はラッキーでしたが、そのようなネイルサロンが近所にない方も多いと思います。女性のネイリストさんが多いお店でも良いとは思いますが、個人で女性のネイリストさんが1人でやっているネイルサロンでは、お店によっては防犯上の理由で男性客を断っている場合もあるみたいです。そのため、そのようなお店に男性の方が行かれる際は事前に男性であると伝えておいた方がトラブルを避けるためには良いかもしれません。 ↩︎

  5. 自分の性別に対して性別違和があったのでは決してなく、男らしさを強制されることへの違和感です。 ↩︎

  6. 一度だけ友人に「男がネイルとかきも」と言われたことがありますが、彼はあらゆることに対して反対のことを言わなきゃ気が済まない天邪鬼の極地みたいな人間なので、彼に貶されたのはむしろ褒められたのだと解釈していいと思っています。 ↩︎

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